丸ノコのキックバックについて

丸ノコ

正しく使えば、大変便利な電動工具です。

丸ノコは大変便利な電動工具ですが、取り扱いには細心の注意が必要です。
DIYが好きな方でも、丸ノコは使いたいくないという方もいるようです。
丸ノコは扱い方を正しく守れば、安全に使える道具と思います。
私は今まで木工をしてきて、丸ノコでは、あぶない思いはしていません。

丸ノコ

スライド丸ノコでは何度か、ヒヤリとしたことはあります。
(スライド丸のこは、丸ノコより、安全に使えるので、気持ちが緩んでしまっていたのです。)

電動工具を使うときは気を緩めない。

丸ノコを使うときに気を抜くことは絶対にありませんので、大事には至らないのだと思います。
丸ノコを実際に使っている動画を見ていると、考えられない使い方をしているものが時々ありますが、使い方の基本を学ばずに使っているのではないかと思います。
私が見た動画は、女性がテーブルの上に載せた木材(幅20cmで厚さが25mmほど)を切る動画でした。

その女性は、切ろうとする木材を固定せずに本を何冊乗せ、重しの代わりにして切り始め、木材が丸ノコに押されて、前に動いているのに丸ノコで切り進めようとしているものでした。
丸ノコを体の正面で使い、テーブルからはみ出た部分を切ろうとしていました。
「上手く切れないですね」と話しながら切っていたので、おそらく丸ノコを初めて使っているように思えました。
切っている木材を見ると、切っている反対方向からの切れ目が半分ほど付いていたので、片方から切って材が逃げて切れないので、材を裏返して反対側から切り始めたことが解りました。
丸ノコの使い方を理解せずに使っている一例ですが、動画を見ているだけでいい気持はしません。

教える人が丸ノコの安全カバーを固定している場合もあります。

丸ノコの使い方を教えている動画で、丸ノコの安全カバーを木片で固定して使っているのも見たことがあります。
(この丸ノコの安全カバーは建築の現場では当たり前に固定して使っているようです。)
私は独学ですが参考書やネットの情報を調べ、丸ノコの安全な使い方を調べた上で使っています。
特にプロの木工家の方々のブログの調べ、キックバック関係の記事を探して参考にしました。
キックバックは起こしたくありませんが、予防は出来ます。

スライド丸ノコ

ノコ刃を20mmしか出さず、切る材料を浮かべず、捨て板の上に置き、安全カバーを生かしたまま使用すれば、キックバックはまず起こりませんし、起こしたとしても大事には至りません。
キックバックを起こすのはノコ刃を多めに出し、切る材を何かの上に載せて切る場合に切った材が傾き、ノコ刃を挟み、材を弾き飛ばすわけですので、そのような使い方をしなければいいだけと思います。
丸ノコのすべてがあぶないわけではないと思います。
使い方を正しく守れば、いいのではないでしょうか。

私は、次のことに気を付けて使っています。

丸ノコを使う場合は、以下のことを必ず守っています。

  1. 体の正面では使わない。(仮にキックバックを起こしても体に材は飛んで出来ません。)
  2. 必ず、直線のガイドを使う。(丸ノコをフリーでは持たない)
  3. 安全カバーは固定しない。
  4. ノコ刃の出し方は最小限にする。
  5. 厚いものでも2x材の38mm厚の横切りしかしない。(縦切りはキックバックを起こす可能性があるので縦切りはしません。)
  6. 切断するものの下には必ず捨て板をおく。(現在は断熱材の90cmx90cmを置いてその上で切っています)
  7. 服の袖はまくるか、ボタンであればしめるなどして袖をばたつかせない。
  8. 手袋は使わない。(回転する工具では手袋は巻き込まれる恐れがあります)
  9. 他の人に手伝わせない。(材をおさえてもらったり、定規をおさえてもらったりしない)
  10. 使う前に必ず、ノコ刃が確実に固定されているかレンチで回して確認する。
    (これは、過去にスライド丸ノコのノコ刃が使っているうちに緩んでしまったことに気付かず、いつものように切り始めた時に異音に気付き、ノコ刃の緩みを見つけて驚いたことがあってから、欠かさず点検するようになりました。回転するものは必ず、緩むのです。)
  11. 疲れている時は使わない。

丸ノコを使うときは、以上のことを守って使っていますので、いままで安全に使ってこれたのだと思います。
丸ノコに慣れてはいけないと思います。
キックバックは回転している電動工具であれば、グラインダーでもトリマーでもテーブルソー(丸ノコ盤)でもルーターテーブルでも起こります。

トリマーは思っている以上に反動が大きい。

丸ノコでは回避してきましたが、上記の道具では一通り、キックバックを経験しました。
なかでもトリマーは本体が小さいので、一見そんなに強い力が発生すように思えないのですが、ビットという刃物が高回転で回っている事がどんなことであるのか、経験してよく解りました。
直径18mmのストレートビット(刃の長さ20mm)をトリマーに付け、ビットをベースから全部出して(20mmです)使用していた際、側にあったスプレー缶にビットが接触し、スプレー缶が割れ、ビットが大きく欠けてどこかに飛んで行きました。
軽く接触したのに、大きな音とともにビットが欠けたのです。
幸い、体には当たらなかったので助かりましたが。

電動トリマー

私はこの18mmのストレートビット(上の写真は12mmのものです)がトリマーで使うと無理なサイズである事を知らなかったのです。
5mmくらい出して使う分には、いいのですが、刃長の20mmを出すと、トリマーの本体が小さいためコントロール出来なくなるのです。
ビットを20mm出して使う場合は、トリマーではなく、大型のルーターを使えば安全に加工が出来たのです。

DIYで使うのもプロ用の丸ノコがいい。

丸ノコのプロ用は現場の職人の方々が安全に確実に使えるような工夫と性能になっています。
単純に切れ味が良い、というのも安全につながります。
同じものを切っても、切れ味が良いと抵抗が少なく切れるわけですので、負担が軽減されます。
ノコ刃の出し入れも、プロ用のものはDIY用のものよりスムーズで固定も簡単にできる仕組みになっています。
出したい刃の高さに微調整が簡単に出来るのです。

マルノコ

この動きが悪いと「刃をひっこめたいけど、まあ、いいか」と薄材を切るときでもノコ刃を多く出したままで使ったりします。
(わたしの経験です、ノコ刃の高さを調整すると直角も動いてしまう丸ノコだったので、調整が面倒なため、つい、ノコ刃が多く出たままで作業をしてしまうのです)
これがプロ用の丸ノコの場合、精度も高く、調整も簡単なので頻繁にノコ刃を出したり、ひっこめたり出来るようになります。
作業に応じて、ノコ刃の調整を細かくするだけでも安全に作業することにつながります。
プロ用の丸ノコは使っていて、不具合を感じることがDIY用よりはるかに少なくなりますので、結果的に安全につながると考えるのです。