リョービトリマMTR-42のビット調整徹底検証!

リョービトリマ MTR-42

ビットの調整が楽しいトリマ!リョービのMTR-42

リョービトリマMTR-42のビットの調整方法は日本の他のメーカーのトリマーと違い、新しい調整方法を採用しています。
海外ではデウォルトやポーターケーブルのトリムルーターが同じ調整方法です。
従来のトリマーのビット調整方法に比べ、格段と調整がしやすくなっています。
トリマーを初めて使う方も、このリョービトリマMTR-42なら、簡単にビット調整が出来るのでお勧めです。
何よりも、ビットの調整が楽しい、というのはいいですよ~。
今回は、結構意地悪く検証しています。
ですが、DIY仕様とは思えない、正確なビット調整が出来る事が解りました。
こんなに、ビット調整が楽になると、トリマー加工がますます楽しくなりますよ。

トリマーもDIY用とプロ用があります

リョービトリマMTR-42には同じデザインの上位機種のリョービ電子トリマTRE-60Vというモデルもあります。
私はこのリョービ電子トリマTRE-60Vも購入していますので、両機の違いも含めてこちらも近日中に紹介します。
リョービトリマMTR-42のビット調整は従来のトリマーの調整の仕方と、全く違います。
いい意味で全く違います。
透明のベースは黒いリングを回すことで上下に動きます。
黒いリングをくるくる回せば、ベースが上下します。
つまり、ビットが出たり入ったりするんです。
この黒いリングは軽くまわります。
そして、ビットが望みの高さになったところでクランプレバーをロックする仕組みです。
これだけでビットの調整は終わりです。簡単です。

ビット調整

調整の仕組みの説明

透明のベースを取り外しました。
ベースは2ケ所の黒いフックを押して黒いリングとの連結をはずして、抜き取ります。
(握って抜くだけです)

ビット調整

黒いリングはトリマ本体の溝とかみ合い、軽くまわる、ねじ込み式になっています。

ビット調整

黒いリングはベースを少しずつ、上下させるための役目ですので、黒いリングがなくても加工は出来ます。
下の写真のように、ビットを適当に調整して、クランプレバーでロックして加工することも出来ます。
これだけで、従来のクランプ止めのトリマーとほぼ同じです。

ビット調整

高さ調整用の黒いリングがリョービトリマMTR-42の最大の売りの部分です。
このリングでベースの上下を微調整するのです。
トリマー加工をしてると「1mm深くしたい」とか「あと、0.3mm深くしたい」と細かい作業をしたくなってきます。
リョービトリマMTR-42は、この要求にこたえる作りになっているのがすごいところです。

調整リング

本体の溝は黒いリングが上下するためのものです、透明のベースは回りません。

ビット調整

ベースは本体の溝に差し込むように取り付けますので、上下にスライドするだけです。
テンプレートガイドを使う場合、ベースが回ると微妙に中心がくるってしまいますが、ベースは回りませんのでテンプレートガイドを付けても中心は動きませんので安心です。

ビット調整

下の写真のようにクランプレバーを解除した状態で、黒いリングを回せばベースが上下します。
軽く動きます。
ここが楽しいところです。
黒いリングにはシールが貼ってあり、矢印とともに深(深く掘れる)、浅(浅く掘れる)と親切に書いていますので迷うことはありません。

ビット調整

ビットを5mmの高さに調整します

下の写真はビットの高さを測るためのスコヤをベースに乗せています。
リョービトリマMTR-42はトリマの上部が平らですので、写真のように逆さまに立てて、ビット調整をする仕様になっています。

これは、安全のためにも非常に良い作りになっています。
上部にスイッチがあり、ONの時はスイッチを引き上げて、上面から出っ張る状態になります。
なので、ビット調整や交換時は逆さにしますので、逆さにするとスイッチが押され、必ずOFFになるようになっています。
ビット交換や調整時は電源プラグを抜いておきますが、万一、抜くのを忘れていた場合でもスイッチが入ることはないので安全なのです。
(実は私も、過去に3回電源を差したまま、ビットを交換したことがあり、後でぞっとしたことがあります。非常に危険です。)

黒いリングをくるくる回して、ビットを5mmの高さにします。

スコヤを乗せたまま黒いリングを回しても、スコヤは落ちませんので簡単に高さを確認出来ます。

ビット調整

5mmの高さになったら、スコヤを取り、ベースのクランプレバーを閉じて、ロックします。
この時、ベースのクランプレバーを閉じる前に、ベースを上から下方向へ、軽く抑えて閉じるといいです。
理由は、ベースと黒いリングは爪状のもので連結されているだけですので、2つの部品には隙間が出ます。
黒いリングは軽くまわるために遊びがありますので、上下に1mmくらい動きます。
ベースを軽く抑えることで黒リングを下に詰めることになります。
こうすると、ベースのクランプレバーを閉じるときのずれを少なくすることが出来ます。

ビット調整

ベースをロックした状態でビットの高さを測ってみましょう。
正確に5mmの高さになっています。
とても簡単に5mmの高さに出来ます。

ビット調整

この5mmのビットの高さを、7mmにします。
トリマー加工をしてると、2mm深くしたい、というのもよくあります。

クランプレバーをはずし、スコヤをベースに置き、黒リングを回して、7mmの高さにします。
ベースを軽く下方向へ抑えて、クランプレバーを閉じます。

7mmの高さになりました。
とても簡単に調整出来ます。
本体を逆さに立てることが出来るので、スコヤを乗せたままビット調整が出来るので、初心者の方にはとてもやりやすいと思います。
日本のトリマーのほとんどが逆さまに立てることが出来ませんので、スコヤを乗せたまま調整は出来ないのです。
(ボッシュのトリマーPMR-500は逆さに立てれます。ボッシュはドイツの会社です)

ビット調整

リョービトリマMTR-42は以上のようにかんたんにビットの高さ調整が出来る事が解ったと思います。

目盛りダイヤルを使った調整機能を徹底検証します!

赤い目盛りダイヤルを使うと、±5mmの範囲でかんたにビットの深さの調整が出来る、という優れた機能です。
最初にビットの高さをスコヤで測り、クランプレバーをロックし設定します。
ここでは仮にビットを10mmの高さにします。
この10mmのビットの高さを、スコヤで測らずに15mmの深さや、5mmの深さに赤いメモリダイヤルでかんたんに(鼻唄交じりで♪)調整できる(!)ほんとに出来る!ちょっと得する機能なんです。
この便利な機能は商品の説明でも化粧箱でも説明がありませんが、実はかなり正確にビットの高さを調整出来る優れた機能だということが解りました。

赤い目盛りダイヤルを使って、ビット調整をしてみます

ビットの高さを5mmにして、これを基準にして赤い目盛りダイヤルを使います。
基準にする高さの±5mmをかんたんに調整できる機能ですので、0mm~10mmまでの間の調整が、0.5mm単位で調節できるということになります。
目盛りダイヤルは0~-5、0~5までの間を0.5刻みになっていますので8.5mmの深さにも調節できるということになります。
5mmの高さにセットしました。

ビット調整

クランプレバーは閉じたままです。
次に黒いフックの▼に、目盛りダイヤルの0を合わせます。
黒いフックは両側にあるのでどちらか片方だけを使います。
(基準にした方だけが正確です。)
黒いリングは回さず、赤い目盛りダイヤルだけを回して0に合わせます。

ビット調整

クランプレバーを開けて、ベースが動くようにします。
黒いリングのシールに切り込み深さ、、とありますのでそちらへ黒いリングを1目盛り回します。

ビット調整

スコヤで測ると6mmの深さになっています。

ビット調整

目盛りを2まで回しました。2mmプラスで7mmの深さになっています。

ビット調整

目盛りを3まで回しました。3mmプラスで8mmの深さになっています。

ビット調整

目盛りを4まで回しました。4mmプラスで9mmの深さになっています。

ビット調整 ビット調整

目盛りを5まで回しました。5mmプラスでちゃんと10mmの深さになっています。

ビット調整

一気に目盛りを0まで戻して見ました。ビットの高さは基準の5mmのに戻っています。

ここまで出来れば十分ではないでしょうか

どうでしょうか。
十分に使える機能ではないでしょうか。
もちろん、多少の誤差は出てきますがその時はスコヤを軽く当てて、少しリングを回して調整すればすばやく深さ調節が出来ます。
説明書でも精度が必要であれば、ビットの長さを測って下さいと説明しています。
私は十分に実用出来る優れた機能と感心しました。
ですが、何度か使っていると深さが合わなくなってきます。
DIY仕様だから、こんなもんかな。
と思いましたが、深さが合わなくなる理由が解りましたので対処すれば、実用に耐える、優れた機能である事が解りました。
深さがずれる理由は、作業中に無意識に赤い目盛りダイヤルをつかんで黒いリングを回してしまうので、赤い目盛りダイヤルが基準の位置からずれてしまうということでした。

知らずに目盛りダイヤルを動かしてしまい、基準の位置がずれていたのです。
これ、持ちやすいのです。
赤いし、出っ張っているので。掴んでくれと言わんばかりの作りです。
なので、目盛りダイヤルを固定してしまえば解決します。

ビット調整

また、フックの▼で位置を決めていますが、両方とも、全く同じなので、どちらを基準にしたかわからなくこともありました。

ビット調整

写真のように、白いビニールテープを貼ってしまえば、こちらだけが基準と解ります。
これで解決です。

ビット調整

テープを張る方法で試してみました。

今回はビットの高さを10mmにして、これを基準にして試してみます。
ビットをスコヤで測り、10mmの高さにセットします。

ビット調整

次に目盛りダイヤルをこの白いテープを貼ったフックに合わせて0の位置にします。
そして、赤い目盛りダイヤルをマスキングテープで固定します。

ビット調整

これが基準の高さです。
ビットの高さは10mm。
これを基準として赤い目盛りダイヤルを0に合わせるだけで、5mm~15mmまでのビットの高さ調整がスコヤなしで、目盛りダイヤルを回すだけで出来るんです。
あ~っ。なんて、楽!

ビット調整

では、検証です。
ビットが出る方向へ、いきなり5目盛り(5mm)くるっと回して、ガチャッとロックします。
14,6mmです!
15mmが正解ですので、0.4mmの誤差です。

ビット調整

そのまま、今度はビットが下がる方へ、一気に10目盛り(10mm)回します。
5,5mmです。
5mmが正解ですので、0,5mmの誤差です。

ビット調整

最後に、元の位置の0位置に戻しました。
10mmです。きちんと戻りました。
十分ではないでしょうか。
私は申し分ないと思います。
DIY向けの機械でここまでの精度が出ればすごいとおもいます。

ビット調整

0,5mmくらいの誤差であれば、スコヤをあて、軽く修正できます。
これだけで、作業が早くなります。
例えば、ビットの高さを7mmにして、7mmを基準にすると、赤いメモリダイヤルでの調整は±5mmですので、2mm~12mmまでのビットの高さの調整が出来ることになります。
6mmのストレートビットで溝を加工する場合2~3mmずつ深くする方が安全ですので、初めは3mm、次は6mmとビットを簡単に調整して加工が出来ます。
トリマーを覚えようとする方にも、最適なトリマーだと思います。